連続再解析機能を用いた定量計算

 

ここでは、クロマトグラムの再解析機能を使い、連続分析によって取り込まれたクロマトグラムの定量計算を実行する方法について説明します。

 

連続再解析の機能を使用して、連続分析機能で取り込まれたクロマトデータの解析・定量計算を実行します。

予め、ブランクデータ、標準試料、未知試料の順番でサンプルを測定した後、分析プロジェクトファイルを保存して下さい。

 

■連続再解析画面の起動

連続分析済みのプロジェクトファイルをダブルクリックすると連続再解析画面が開きます。

 

 

分析シーケンスの各ステップをクリックすると、選択されたステップのクロマトグラムデータのアウトラインが表示されます。

STD1をクリック

 

STD1のアウトラインを表示

 

解析を実行する前に、属性が正しく設定されている事を確認してください。

先頭行に、「ブランク」が設定されている場合は、一度、【連続解析】ボタンを押して、連続再解析を実行して、STD1以降のデータに対し、ブランクデータの引き算を実行してください。

 

クロマトデータのオープン

先頭のクロマトデータを開きます。

ここでは、標準試料1(STD1)のクロマトデータを開きます。

STD1のステップを選択してステップ番号のセルをダブルクリックするか、

右クリック−[データファイルを開く]コマンドを実行して、STD1の解析画面を開いてください。

STD1データ読み込み

 

標準試料1(STD1)の解析画面

標準試料を分析する前に、ブランクデータの測定が定義されている場合は、ブランクデータが引き算された

(ブランク補正された)クロマトデータが表示されます。

 

ブランク補正されたクロマトデータを、ブランク補正無しの状態に変更する他の方法については、クロマトステージのヘルプを開き、「解析−オプションーブランクデータ指定」または、「連続再解析−連続再解析によるブランク補正」を参照してください。

 

■クロマトグラムのピーク検出

同定テーブルタブの「同定テーブル有効」のチェックマークが外れている事を確認して、ピーク検出条件を適正な値に設定した後、波形解析を実行してください。

注意)ここでの波形解析は、ピーク検出条件の最適値を決める事が目的なので、マニュアル波形解析機能は使用しないでください。

マニュアル波形解析による定量計算を実行する場合は、技術文書「マニュアル波形解析による定量計算」を参照してください。


■同定テーブルの設定

同定テーブルタブの「同定テーブル有効」にチェックマークを入れてください。

ピーク読込【ピーク読込】ボタンを押して、検出されたピークを読込み、ピーク名に名前を付けます。

 

同定テーブルからピークを削除する場合は、右クリック−[削除]コマンドを実行してください。

 

完成した同定テーブル

 

 

■同定の実行

一括解析 ツールバーにある【一括解析】ボタンを押すと、クロマトデータの波形解析を実行し、ピークの同定を行います。

ピーク同定が終了したら、解析画面を閉じます。

解析画面を閉じると、下記のメッセージが表示されるので、【はい】ボタンを押して、解析結果も一緒にデータファイルに保存して下さい。

 

■クロマトグラムの連続再解析

連続再解析画面に戻り、STD1のステップを選択して、右クリック−[組込解析メソッドを使用する]コマンドを実行してください。

 

STD1に組込解析メソッドを定義すると、行番号の前に[]印が表示されます。

ここで、【連続解析】ボタンを押すと、STD1と同じ条件で、STD2UNK2に対して同定処理を実行します。

同定が正常に行われると、各サンプルのアウトラインに、Peak1,Peak2が表示されます。

 

同定に失敗

 

 

○同定に失敗した試料がある場合

上記の例では、STD3は、Peak2の同定が正しく実行されていない事が分かります。

デモ用のデータ発生器は、分析回数を重ねる度に、ピークのリテンションタイムが変動するように作られている為に、STD3以降は同定ができないピークが現れます。

 

分析毎のリテンションタイムの変動に対応するには、次の2通りの方法があります。

@   リテンションタイムの許容量(Wt[min])の値を大きくします。

A   リファレンスピークを設定する事で、リファレンスピークからの相対保持時間により同定します。

※リファレンスピークの詳細については、クロマトステージのヘルプを開き、波形処理の原理−ピーク同定−参照ピーク を参照してください。

 

○同定テーブルの修正

STD2以降のサンプルも正しく同定が実行されるように、同定テーブルを修正する手順を説明します。

「4.2.2.クロマトデータのオープン」の手順で、STD1を開いてください。

同定テーブルのタブを選択します。

下記の例では、Wtの値を0.1分から0.2分に広げてあります。

Wtを大きくすることで、リテンションタイムの変動に対応する事ができますが、あまり値を大きくすると、近接した2つのピークが存在する場合に、同定に失敗する事があります。

角丸四角形: 1

同定テーブルを修正したら、STD1を上書き保存して解析画面を閉じてください。

連続再解析画面に戻り、【連続再解析】ボタンを押して、再度、STD2UNK2までのサンプルを解析して、全てのサンプルで正しく同定が実行されている事を確認してください。

 

■未知試料の解析

未知試料属性の先頭のサンプルを開いてください。

ここでは、UNK1を開きます。

 

(1)検量線の作成

解析画面の解析条件ウインドウに表示された検量線タブの中の、ピーク情報タブを選択して、ピーク情報画面を表示してください。

ピーク情報画面には、分析シーケンスで設定した標準試料(STD1STD3)のピーク情報を設定するためのピークテーブルが定義されおり、1〜3と記されたタブで切り替える事ができます。

※1〜3がそれぞれ、STD1STD3に対応しています。

STD1を選択

 
角丸四角形: 1

検量線テーブルの各成分(Peak,Peak2)に濃度と単位を設定してください。

 

検量線初期値設定各ピークの濃度を設定したら、【初期値設定】ボタンをして、検量線の初期値設定ダイアログを開き、検量線の描画条件を設定します。

検量線初期値設定

(2)作成した検量線の確認

検量線情報を設定後、【検量線作成】ボタンを押して、検量線を作成します。

「検量線情報」タブを選択すると、作成された検量線を確認する事ができます。

 

検量線情報画面

 

検量線を修正する場合は、ピーク情報画面に戻り、ピーク情報や、検量線初期値を修正した後に

【検量線作成】ボタンを押して検量線を更新してください。

 

(3)作成した検量線で定量計算を実行

一括解析検量線の条件が決まったら、ツールバーにある【一括解析】ボタンを押すと、作成された検量線で、未知試料の定量計算を実行して結果を表示します。

 

■未知試料UNK2の定量計算

2個以上の未知試料を定量する場合の手順を説明します。

定量計算を実行したUNK1を上書き保存して、解析画面を閉じます。

連続再解析画面に戻り、UNK1を選択して、「組込解析メソッドを使用する」に設定してください。

【連続解析】ボタンを押して、連続再解析を実行してください。

UNK2の解析画面を開き、定量計算が正しく実行されている事を確認してください。

 

以上で「組込解析メソッド」を使用して定量計算を行う方法について説明を終わります。

 

同定テーブルや、波形解析条件を修正して再計算を実行する場合は、「組込解析メソッド」属性を全て解除した状態で、クロマトデータのオープンに戻り、STD1の解析から始めてください。

 

「組込解析メソッド」属性の解除方法は、[]印の付いている行を選択して、

右クリック−[組込解析メソッドを使用しない]コマンドを実行してください。